トレーニングの原則①特異性

こんにちは、森廣です。
本日から、少しずつ、運動療法やトレーニングなどの話をしていきたいと思います。
整骨院で先生したり、アスリートのトレーナーをしている事で役立つ知識をアウトプットする事も
大事かな、と思っているので。
さてさて、本日は「トレーニングの原則①特異性」について話したいと思います。

トレーニング原則は、7つあると言われていますが、なぜ特異性を最初にお話しするかと言うと、僕が整骨院やトレーニング指導する上で、この特性が非常に重要と考えているからです。
※他の原則が重要じゃないと言うわけではないんですが、ここを外すと目的を達成しにくいので。

特異性(SAID)の原則
SAID:SpecificAdaptationtoImposedDemands
課された要求に対する特異的適応

これだけ言われるとなんのこっちゃ、と言う感じなんですが、要するに、「人の身体は、課せられた刺激(トレーニング)の種類によって、
それに適応するために鍛えられる能力が決まる」と言う事です。逆から考えると、

「目的に合わせた方法・種類の刺激(トレーニング)をする事で適切な効果が得られる」
と言う話。当たり前ではあるんですが、意外とできてないことが多いんですね。
筋肉を大きくしたい、力を強くしたい、トップスピードを上げたい、切り返しを早くしたい、
バランスを良くしたい、柔軟性を高めたい、身体の使い方を良くしたい・・・

似た目的もあれば、全く違う目的も挙げましたが、やり方は変わります。
※可能なら組み合わせて同時に達成する方法を取る場合ももちろんあります

悪い例を具体的かつ極端に言うと、
100mの選手がマラソンの練習してるようなもんです。

ここまではさすがにないかもしれませんが、スピードを重視すべき競技やポジションの選手が
ジョギングにかなりの時間を割いていたり、疲労困憊のヘトヘトになってスピードが出ない状態で
遅いダッシュの練習をしている選手は結構いるんですね。
なんなら、そう言う練習を指導者が選手に強要しているケースが多かったりする。
ヘトヘトになってるのを見ると、頑張った感出ますからね。
でも、残念ながら、これじゃ筋の収縮スピードは上がりにくい。

野球好きな方は、ダルビッシュ選手が、野球選手がランニングばかりするのを否定した事で
話題になったのをご存知かもしれませんが、根拠がここにあるわけです。

ちなみに、疲労がある中、無駄な力が入らず脱力状態で走る事で
「リラックスしたフォームを身につける」
「練習量が増えてくるシーズン前に持久力を高めたい」
と言った「別の目的」として行うのであればむしろ特異性の原則に合っているとも言えます。
「収縮スピード」ではなくそれぞれ別の目的に合った練習と言えるので。

要は、「目的」と「手段」が一致しているかを考えなくちゃいけないんです。
そこまで行くと、今している運動療法・トレーニングは、
何が「目的」なのか、それに合った刺激が入っているのか、が重要で、
もしそこにズレがあるなら、効果は得られにくい、と言う事です。

僕の整骨院で施術や指導に来られる方で言うと、
痛みを出にくくさせたいのか、体力を付けたいのか、筋肉を大きくしたいのか、
ダイエットでスタイルを良くしたいのか・・・

それぞれゴールや現状によって、目的となる伸ばしたほうがいい体力要素は異なるため、
適した運動療法・トレーニングは違います。
ぜひ、自分に合ったトレーニングをしてみてください。