ケガした直後、どう過ごす? A.RICE処置について

今日は、ケガをした直後、どのように過ごすべきかを書こうと思います。

まず、ケガといっても、捻挫や肉離れ、脱臼、骨折など、さまざまなケガがありますが、
共通する状態があります。それが「炎症」です。

徐々に痛みが出てきたり、長期間痛みが続く、いわゆる「慢性痛」とは違い、
何かきっかけのあるものは「急性痛」と言えば分かりやすいでしょうか。

急性痛、苦痛ではありますが、痛いことで、今の状態が危険だと脳に教えてくれるので、
必要とも言える働きです。

また、急性痛は「炎症」を伴います。
炎症の特徴は「熱感」「腫脹(腫れ)」「発赤」「疼痛」「機能障害」で、
傷ついた組織を修復する上で必要な物質も出ています。
なので、こちらも必要ではある事なんですね。
ただ、炎症が長引く・強く起こり過ぎることで逆に修復が遅れてしまう事もあるので、
必要最低限で済むよう、抑えた方がいい、という考え方が一般的です。

そこで行われるのが「RICE処置」です。
R:Rest 安静 動かさないこと
I:Ice 冷却 冷やすこと
C:Compression 圧迫 包帯やサポーター、バンテージで押さえます
E:Elevation 挙上 怪我した部位を心臓より高く上げます
理屈は、損傷部位に血流を行かせすぎないようにする事です。
必要以上に血液が集まるとどんどん腫れて行きます。
そうすると、修復に必要な分以上に血液や組織液が溜まり、吸収にも時間を要します。
過剰に出てきた血液は固まって組織の動きの阻害もします。

また、必要酸素量が足りずに周囲組織も損傷していく二次損傷も起こります。
となると、冷却によって代謝を一時的に下げることで二次損傷を防ぐ効果もあります。

RICE処置の必要性、少しはお分かり頂けたでしょうか。

さて、肝心のやり方です。
よく行われる応急処置の方法をご紹介します。
①氷のう(無ければビニール袋などで構いません)に氷を入れ
②患部に当てて、バンテージや包帯で圧迫します。
 アイシングのズレ防止だけでなく圧迫もしているんですね。
③損傷部位を心臓より高くします。
 怪我したのが足なら、寝て、足を台か何かに乗せます。
 手なら、寝ても良いですが、肘を曲げて高くなるようにするだけでも良いですね。
④15−20分したら、氷を外して、圧迫と挙上を継続します。
⑤1時間ほどして、冷えて鈍くなった感覚がなくなっていれば、再度冷却を繰り返します。

簡単に行うならこんな感じです。

BASE整骨院の場合、アイシング機器を使用しての冷却を行なっています。

あとは、必要に応じて病院や整骨院等、医療機関に行きましょう。
自己判断で様子見で、実は骨折していて変なつき方をした、とかだとシャレにもなりませんよね。

「急性炎症」は2−3日ほどは続くと言われているため、ケガをしたその日だけでなく、
2−3日続ける方が良いかと思います。医療機関の指示に従いましょう。

他にも、温度管理をして2−3日冷やし続ける方法等もありますが、一般的とは言いにくいかも。
というのが、温度管理をキッチリするなら機械が必要ですし、
上記の氷のうやビニール袋の方法だと冷えすぎて、ずっと冷却していると
凍傷を起こして水膨れなどの別の問題の原因にもなります。
もっというと、保冷剤は氷よりもさらに温度が低いので、もっと危険です。
冷やし過ぎにも注意が必要なんですね!

いかがでしょうか。
最後は誤ったやり方をして欲しくなくて、誤ったやり方のマイナス部分を
お伝えしてしまいましたが、
やらないと炎症は酷くなりやすいので、RICE処置、ぜひやって下さいね。

以上、ケガをした時の対処法でした。